50歳以上の転職は難しい?転職成功のためのポイントとは

50歳以上の転職は難しい?転職成功のためのポイントとは

近年高齢化が進む日本社会では、ミドル・シニア層と呼ばれる40~50代の転職意欲が高まっている傾向があります。

 

転職市場における、いわゆる「35歳限界説」はすでに崩壊しており、50歳以上の方にとっては転職のチャンスと言える状況になってきています

 

とはいえ、20代、30代と比べると、転職のハードルが高いことに変わりはありません。

 

では、どのようにそのハードルを乗り越えればいいのでしょうか。

 

ここでは様々な年齢層の転職支援をしてきた元大手エージェントである私の視点から、50歳以上の転職を取り巻く環境や転職を成功させるためのポイントをご紹介します。

 

 

50歳以上の方が転職を考えるタイミング

 

人員削減

 

終身雇用の時代はすでに終わりを告げ、業績によっては人員削減をしている企業も少なくありません。

 

早期退職制度の導入やリストラなどの動きが社内で起きることで、転職を検討する50歳以上の方も多いはずです。

 

社会の変化に伴い、自身の働き方に向き合う時

 

現在の日本社会では、40~69歳の方が全労働人口の約57%を占めています。

 

高齢者雇用安定法改正により65歳までの定年後再雇用が企業に義務付けられ、2017年時点の調査では99.7%の企業が実施しています。

 

しかし定年後再雇用の実態は、仕事内容はほとんど変わらないにも関わらず給与は大幅に下がるケースがほとんどで、仕事に対するモチベーションの低下や、老後の資産形成に対する不安を感じ転職を検討する方も多いのです。

 

では50歳以上の方が転職を成功させるためには、何を重要視すればよいのでしょうか。

 

経験・スキルを明確に!強みを売り込むのが50代の転職

 

50歳以上の転職者に求められるのは、即戦力であることです。

 

多くの企業は20~30代の若手の育成に投資はしますが、それ以上の年齢の人材への育成投資は積極的にはしません。

 

50代の方々は、これまでの長い社会人経験の中で様々な経験を積んでいらっしゃるはずです。

 

その経験における強みを明確に売り込むことが重要です。つまり、その強みを生かせる企業に応募しなければ転職は成功しません。

 

業界、仕事内容、管理職としての経験など、応募したい求人に照らし合わせ、アピールできる強みを多く見つけ出しましょう。

 

また、同業他社を志望する場合、これまでに築いてきた人脈は企業にとっては大変魅力的で大きな強みとなります。

 

私がエージェントをしていたころ、業界における人脈を豊富に持っている方を採用したいという企業様からのご相談は多くありました。

 

うかつに個人情報を話してしまうのはNGですが、どんな取引先とのコネクションがあるか、これを機にご自身の仕事における人間関係を整理してみてください。思わぬ強みが見つかる可能性があります。

 

なお、資格が必須の専門性の高い職種などの場合、年齢が採用可否のネックとなりにくい傾向があります。

 

その場合専門分野の合致が特に重要になりますので、アピールできる職務経歴をしっかりと整理して伝えることで採用のチャンスをぐっと引き寄せられるはずです。

 

人脈

 

上述の通り、50歳以上の方の強みの一つに人脈があります。

 

取引先など、現職で築いた人脈からの紹介、引き抜きで転職を成功させるケースが多いのも50歳以上の転職の特徴です。信頼できる相手かを判断したうえで、転職の相談を持ち掛けてみるというのも一つの手段となりうるでしょう。

 

50歳以上の転職の落とし穴

 

強みを持っている方も転職に失敗するケースがあります。特に以下のようなケースが多く見られます。

 

大手を希望しすぎる

 

転職するならばできれば名の通った大手が良いと考える人は多いはずです。気持ちは理解できますが、50歳以上の転職希望者にはおすすめできません。

 

なぜならば、毎年新卒採用で人材確保が出来ているためミドル・シニア層を積極的に採用する必要がないからです。

 

その反面、中小企業はベテラン人材を積極的に採用する傾向があるため、ネームバリューに囚われずにこちらの求人もしっかりと中身を見るべきです。

 

大切なのはご自身の経験や強みと仕事内容の親和性です。

 

条件面に固執してしまう

 

50歳以上の転職では、年収は下がってしまうケースがほとんどです。専門性の高い職種や管理職、新規事業責任者などのポジションであれば年収アップは望めますが、それ以外は現状維持が最もいい状態と考える方が得策でしょう。

 

生活に直結する問題ではありますが、どうしても譲れないと考えるのであれば転職自体を考え直す必要もあります。ただし現職に残り定年後再雇用となればさらに年収が下がる可能性もありますので、ご家族とも率直な話し合いをしたうえで決断することをおすすめします。

 

可能性を広げるためには

 

50歳以上の方には、視野を広げた転職活動をおすすめします。そのために活用していただきたいツールは以下の3つです。

 

転職エージェント

 

キャリアカウンセラーと面談した後、最適な求人の提案、転職活動のサポートをしてもらうことができます。企業が公にしていないハイクラスな求人の紹介もしているため、是非利用すべきツールです。

 

最近では大手エージェントもミドル・シニア層の転職支援に力を入れており、40歳以上を専門にご支援する組織の組成も進んでいるため、一つに絞らずに複数のエージェントに登録することをおすすめします。

 

リクルートエージェントはこちらから・・・ミドル・シニア層の転職支援なら

 

転職サイト、企業ホームページ

 

転職サイトは情報が膨大すぎるため、敬遠する方も多いかもしれません。しかし視野を広げた転職活動をするためにはぜひ活用していただきたいツールです。

 

転職サイトに登録するときに大切なことは、ご自身に関する情報をとにかく豊富に登録することです。職務経歴、職種分類など、面倒ですが細かいところまで事前に登録しておくことで、適切な情報が届きやすくなります。

 

さらにスカウト機能を利用すれば、転職サイト上で一般公開されていないシークレット案件のスカウトメールが届くこともあります。

 

また、同業他社の企業ホームページも要チェックです。求人広告を使いたがらない企業は自社ホームページに採用情報を掲載するので、転職サイトで求人が見つからなかい企業に関しては公式ホームページも都度確認してみましょう。

 

 

いかがでしたでしょうか。これからまだ十数年働き続ける上で、転職は不安も大きいかと思いますがご自身の可能性を広げる選択肢の一つとなるはずです。
ぜひ参考にしていただき、より良い働き方を楽しんでください。