介護職員は儲からない?介護職員の給料・年収水準とは

介護職員の給料・年収水準とは

高齢化が急速に進む日本社会。

 

その日本で今、多くの働き手を必要とするのが介護業界です。

 

しかし現場からのニーズはある一方で、仕事がきついのに給与が安いといったイメージが先行しているという現実もあります。

 

ここでは介護職の給与の実態はどうなっているのか、どうすれば給与が上がっていく可能性があるのかということについてまとめていきたいと思います。

 

 

介護職にはどんな種類がある?

 

一言で「介護職」と言っても、事業所によって働き方が少々変わってきます。

 

そして事業所によって仕事内容の難易度も多少変わります。

 

まずは介護にどのような事業形態があるのか、そしてそれぞれの平均年収をご紹介しましょう。

 

平均給与については厚生労働省の平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果の保有資格なしの場合のデータです。

 

①特別養護老人ホーム:平均給与28万8千円

 

主に自治体や社会福祉法人が運営している施設

 

国からの助成金や税金面の優遇があるため、利用者にとっては費用面のメリットが大きい。

 

一方で入所費が安いため、入居待ちが多く入りにくいという特徴もあります。

 

また、入所要件が要介護度3以上という制限があります。

 

②有料老人ホーム:平均給与28万8千円

 

有名どころでいうと、損保ジャパン日本興亜ホールディングスやソニー、長谷工コーポレーションなどの民間企業が運営する宿泊型介護施設です。

 

特別養護老人ホームのような税金面の優遇などはないため、入居費は高額になる傾向があります。

 

費用については施設のサービス内容や、企業の考え方によって設定は様々です。

 

また、入所対象は自立した方から要介護度5までと幅広く、特別養護老人ホームよりも要介護度が低い入所者が多いのも特徴です。

 

③グループホーム:平均給与24万5千円

 

認知症の高齢者を対象とした、少人数で共同生活をするための施設です。

 

介護度では要支援2、要介護度1~5となっていますが、基本的に認知症の方は体は元気であるというケースが多いです。

 

グループホームでは家庭環境に近い環境を形成し、認知症の進行を遅らせ、自立を支援するということを目的としています。

 

④サービス付き高齢者住宅:平均給与21万円

 

介護施設というよりも、高齢者向けのバリアフリーの住宅施設です。

 

自立度の高い高齢者を対象としていて、事業者には安否確認サービス、生活相談サービスが義務付けられ、介護専門職の配置も必須です。

 

どの程度の介護が必要になるかは施設の方針によって様々です。

 

見守りがメインも施設もあれば、積極的に介助や支援を行うこともあるので、就業する場合は事前に確認したほうが良いでしょう。

 

⑤介護老人保健施設(老健):平均給与26万9千円

 

在宅復帰を目的として、医療サービスやリハビリを行いながら介護をする施設です。

 

一般的に入所期間の目安を3か月としている施設が多いのが特徴です。

 

自宅に戻ることを前提としたケアを、医師や看護師、リハビリ指導員と連携して行います。

 

⑥ショートステイ:平均給与データなし

 

原則30日以内の短期で受け入れをしている施設です。

 

上で書いた、特別養護老人ホームや有料老人ホームと併設されていることが多い事業形態です。

 

宿泊機能がある施設のため、①~⑤同様に遅番や夜勤もあります。

 

⑦デイサービス:平均給与23万7千円

 

自宅で生活する高齢者が日中利用する施設です。

 

食事、排せつ介助や入浴介助、レクリエーションを実施します。

 

①~⑥と違い、基本的に夜勤はありませんが、宿泊サービスも兼ねた施設も増加傾向にあるため、夜勤が発生する可能性もあります。

 

⑧訪問介護:平均給与28万7千円

 

※介護職員初任者研修が必須の働き方のため、有資格のデータ使用

 

ホームヘルパーとして自宅訪問、身体的な介護や生活の援助をします。

 

介護職としてより多く給与をもらえる方法

 

超高齢化社会に対応するために、政府も1000億円規模の予算を投入して人材確保に乗り出しています。

 

具体的には、2019年10月より、勤続年数が10年以上の介護職員に対して8万円の賃上げをするというものです。

 

ただしこの8万円については、国から直接介護職員に渡されるわけではなく、一度事業主に入る形になります。

 

よって給与としての支給は事業所の判断にゆだねられるため、施設によって格差が生まれてしまうというデメリットがあるのです。

 

では、一介護職員として、自分の力で給与を増やすためにはどのようなことができるのでしょうか。

 

夜勤手当を得る

 

8つの事業形態に分けて平均給与を比べてみると、やはり給与が高い傾向があるのは夜勤のある事業所です。

 

一般的に夜勤1回につき約5,000~8,000円の夜勤手当が支給されます。

 

その積み重ねで月の収入を増やすことは可能です。

 

ただし、夜勤は身体的にも精神的にも負担が大きくなるので、地震の体調管理にはくれぐれも気を付けなければなりません。

 

資格を取得する

 

先ほど平均給与の参考として介護従事者処遇状況等調査結果のデータを挙げました。

 

資格なしの場合の平均給与の他に、介護関連の資格所有者の平均給与データも掲載されているのですが、資格の有無は給与に大きく影響します

 

例えば、特別養護老人ホームの資格なしの介護職の平均給与が28万8千円であるのに対し、実務者研修の資格所有者の平均給与は31万5千円です。

 

さらに介護支援専門員、介護福祉士、社会福祉士などの資格を取得すれば、さらなる昇給も望めます。

 

実務と資格取得の勉強を両立するのは大変ですが、企業も人材確保のために資格取得支援制度を設けているケースも多くあります。

 

資格を取得することで新たなキャリアを得ることも可能です。

 

一般介護職員から、ケアマネージャー、ソーシャルワーカーと呼ばれる職種に転向していくという道筋も見えてきます。

 

いかがでしたでしょうか。

 

介護=給与が安いとは一概に言えないことはお分かりいただけましたでしょうか。

 

今後まだまだ人手が必要とされる業界であるからこそ、さらなる国の制度の整備なども進むでしょう。

 

AI技術の進化で人間以外が労働力として数えられる日も近いかもしれませんが、やはり人対人のコミュニケーションが重視される仕事でもあります。

 

そのため、今後も条件の良い求人が多く出てくる可能性があります。

 

資格を取得し手に職をつけることができる仕事です。もし興味があれば、一度介護の仕事について詳しく知ってみてください。