旦那の給与が低いから離婚したい!そもそも離婚できる?
夫の年収が上がらなければ日々の生活を維持するのも大変に
離婚理由の中でも、夫の低収入を理由に挙げる妻は少なくありません。
国税庁の平成29年度の調査では、平均年収は男性の532万円に対し、女性は287万円。
共働き世帯が増えているとは言え、日本社会はまだまだ家庭の事、子育てに関しては女性が主担当です。そのため男女の収入格差は大きく、多くの家庭が夫の収入がメインとなっているのが現実です。もちろん筆者の家庭も同様です。
つまり、夫の年収が上がらなければ世帯年収は大きくは上がりません。子供を成人するまで育て上げるのにはもちろん、日々の生活を維持するためにも収入はとても重要です。
しかし妻ばかりが金策に奔走しているにもかかわらず夫側に改善の意欲が感じられなければ、妻が離婚を考えてしまうことは当然の事でしょう。
では、収入が低いという理由だけで離婚は可能なのでしょうか。
夫の低収入は離婚理由として成立する?
まず、離婚はどのようなプロセスを踏むのかを確認しておきましょう。
離婚合意に至るまでの手順は大きく3段階に分けられます。
夫婦で話し合い、互いが同意することで成立します。
この段階で、収入が少ないから離婚したいという話に夫が同意すれば離婚は成立します。
夫婦の話し合いで合意に至らなかった場合、調停委員を介して家庭裁判所の調停で合意を成立させます。
調停で合意に至らなかった場合、裁判による判決で離婚を成立させます。
ただし、裁判離婚の成立は全体の約1%程度で、ここまで至るケースは多くはありません。
調停離婚以降でポイントになるのが民法です。離婚原因は民法第770条で下記の通り定められています。
- 配偶者に不貞行為があったとき
- 悪意で遺棄されたとき
- 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
- 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
- その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき
低収入を理由とするのであれば、「悪意の遺棄」「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当する可能性があります。
つまり、結論として離婚理由として成立させることが可能ではあるということです。
「悪意の遺棄」
- 給与明細を見せてもらえない
- 残業が多いと言っているのに残業代が支給されていない気がする
- 給与が安い、評価されないとぼやきがちだが、行動を起こさない
旦那様に当てはまるところはありますか?
実際にとても多いケースなのですが、こういったことに当てはまる場合、さらに生活費を手渡しされている場合は、渡す前に本来の給与からお金を抜いている可能性があります。
ギャンブルが好きな人、浮気中の方にありがちな行動と言われています。また、必要最低限の生活費しか渡さないモラハラ傾向の旦那様にもよくある行動です。
ちなみに筆者が結婚後から出産までの間、お互いに会社員としての給与があったため我が家もややグレーなところがありました。夫は独身の期間も長く自由人、期間は短かったのですが、給与明細を互いに見せることはなく、約束した金額以外は使途不明、日常のこまごました出費は私の給与からということもありました。
子供が生まれてからは話し合いを重ねた結果、すべての財布のひもをわたしが握っている状態になったためクリーンにはなりましたが、そのままであればいずれこの理由に該当する可能性もあったでしょう。
離婚に法的な原因が定められているのと同様に、結婚にも夫婦がともに助け合うことが義務付けられています。
よって、正当な理由なしにお金を渡さない場合、その義務の不履行とみなされ、「悪意の遺棄」にあたると判断されるのです。
とはいえ、そういった旦那様であれば見せてとお願いしたところで明細や通帳を見せてはくれないでしょう。その場合は自分で証拠集めをしましょう。
もっとも簡単な方法は、役所で課税証明か所得証明を発行してもらうことです。いずれも配偶者であれば同意書等不要で発行してもらえます。
それらの書類を確認すれば、実際どれだけの給与が入っているのかを確認することができます。
「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」
こちらに関しては収入が少ないということだけでは理由に該当しないように見えますが、「衣食住に困窮する状態」「妻も持病などで働くことができない」といったことが証明出来れば実現できる可能性があります。
本当に離婚を選んで大丈夫?
全体的に隠し事もあるように見えずクリーンであり、夫として大切に思えるところがあるのであれば、安易に離婚を選ばない方が良い場合もあります。
子供もいないし夫婦として生活していく必要性を感じない、自分自身の収入がしっかりとあるため、離婚後の生活にも心配がないという方であれば離婚を選んでもいいのかなとは思います。
しかし、離婚後シングルマザーとなる予定の女性の場合、負担はかなり大きくなります。低収入の元夫からの養育費はまずあてにできない上に、子育てをしながら仕事をするのには時間的な制約もあり、その分収入にも影響します。
低収入が理由で離婚したはずなのに、離婚前よりもさらに生活が苦しくなるということもありうるでしょう。
そういった後悔をしないためにも、夫婦で問題にしっかりと向き合うことも必要です。
選択肢としては、夫が転職する、妻が専業主婦の場合はパートなどで働くといったものが出てくるでしょう。
夫婦として、家族としての絆を深めるきっかけになるかもしれません。
いかがでしたでしょうか。
ご自身が今置かれている状況によって選ぶ道は様々です。自分自身やお子様、もしくは家族全員が後悔しない道を進めるよう、じっくりと考えてみてください。
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