ハローワークが生まれ変わる?厚生労働省がブラック企業対策を本格化

これからは残業代が出る!?ハローワークで厚生労働省がブラック企業対策を本格化。

厚生労働省、遂に動く

 

厚生労働省がついにブラック企業対策に対して本格的な動きを見せてきました。

 

法律に違反していることがあきらかなブラック企業に対して厳しい対策を打ち出したのです。具体的には、ブラック企業の可能性がある違法行為をはたらいている企業は、ハローワークの求人に掲載できません

 

この違法行為とは、労働基準法と最低賃金法に違反した行為です。例えば、残業代の未払い、最低賃金を下回る給与、サービス残業などがこれに当たります。そして、このような違法行為で労働基準監督署による「是正指導」や「送検」を受けた企業が、掲載拒否の対象となります。

 

就職活動や転職活動でハローワークを利用している人は非常に多いので、この制度が本格的になれば、ブラック企業の被害者を確実に減らすことができるでしょう。

 

今までは、「ブラック企業が存在することは問題だ」という姿勢で議論されてきましたが、効果のある具体的な行動を起こすことはありませんでした。そういった意味では、今回のブラック企業に対する厳しい制度の立ち上げは、革新的な変化につながると思います。

 

ハローワークが生まれ変わる!?

 

ハローワーク掲載基準の厳格化によって、確実にブラック企業の間口は狭まります。

 

ハローワークは法律上、どんな企業からの求人掲載も無条件で受けなければいけません(職業安定法 第五条の五)。しかし、よく考えてみるとこのような決まりがあること自体がおかしな話だったのです。どのような企業でも掲載を断ることができないなら、ブラック企業にとってこれほど美味しい話はないのです。

 

そもそも、日本1の求人紹介組織である国を代表する機関であるハローワークの求人掲載に厳しい基準がなかったことがおかしいのです。税金で運営されているハローワークに、ブラック企業が求人を掲載できないのは至極当然のことです。

 

できれば、今回の制度を転職サイトや転職エージェントにも適用させてほしいと思います。転職サイトや転職エージェントを利用する若者も多いので、ブラック企業対策に絶大な効果を発揮すると予測されるからです。

 

残業代の不払いが解消する?

 

今回の厚生労働省のブラック企業に対する厳しい対策によって、残業代の不払いという問題が解消されるかもしれません。

 

ブラック企業の大半は、社員にサービス残業をさせているのが今の実態です。サービス残業をさせることは違法ですが、それでもこのような時代に雇用があるだけでもありがたい・・・という社員の弱い立場を利用して、強制的にサービス残業をさせて残業代を払わないという悪質なやり方が横行しているのです。

 

今回の改正案が本格的に法律として改正されれば、残業代の不払いを続けているブラック企業もやり方を変えるしかなくなるので、弱い立場の社員を救うことにつながるのです。

 

残業代不払い以外にも数々の違法行為を繰り返しているブラック企業はたくさんあるので、すべての違法行為ができなくなるような監視体制を強化する必要があると思います。

 

しかしながら、これだけブラック企業は根付いているので、そう簡単には体制が変わるとは思えません。今までのような生ぬるい注意勧告ではなく、もっとブラック企業に致命的なダメージを与えるような罰則を作ることが効果的だと思われます。

 

現状では、労基署から是正指導を受けた企業名の公表は大企業に限定されていますが、中小企業についても企業名の公表が必要かもしれません。

 

非正規社員を少なくして正規社員を増やす制度も。

 

もう1つ注目したいのが、若い社員の仕事における能力をしっかりと再評価して、非正規社員で雇われている場合は、正規社員に登用させるという制度です。

 

これは、「キャリアアップ助成金」という制度です。

 

これは、例えば契約社員を正社員化することで1人あたり数十万円の助成が行われるというものです。

 

この制度を受けて、企業側が正社員転換の制度を整備し、能力のある非正規雇用の従業員が正社員になることが期待できます。非正規社員としてしか雇ってもらえないから、生活も安定しないと結婚もできない・・・という若者を救うことにつながれば良いと思います。

 

実際に高い能力を持っているのに派遣社員や契約社員やパートやアルバイトとしてしか雇用されず、仕方なくその雇用形態で我慢している人材は山ほどいるのです。

 

【追記】なぜ?ブラック企業はなくならない?ハローワークの求人掲載不可も企業名公表も効果は薄い?

 

ハローワークの求人に、ブラック企業は掲載できないという新制度ができましたが、果たして、どれほど機能しているのでしょうか?

 

恐らく、まだまだ隠れブラック企業は沢山存在し、ハローワークの求人にも掲載を連ねていると思われます。

 

なぜ、このように考えるのかというと、実際に、違法労働をさせているのに、それをうまく隠している企業がゴマンといるからです。

 

表面上は、ホワイト企業のようなふりをして、社員に重労働を強制しているのです。

 

なぜ、社員は密告しないのでしょうか?その理由は仕事を失ってしまうからです。

 

自分の勤務先がブラック企業だと密告するのは簡単ですが、そうなって一番困るのは失業する自分なのです。労基署が動かなければ、会社が指導を受けることもありませんし、ハローワーク求人を出し続けることができます。

 

家族を養っている人なら、ブラック企業だと思っても、ちゃんと給料がもらえるなら、我慢して働こうと考えてしまうのです。

 

しかし、ブラック企業で長く安定して働こうとしても、結末は悲惨なものとなります。

 

社員の体のことなどまるで考えておらず、長時間労働や激務を強いるので、精神的におかしくなったり、病気になったり、最悪、過労死してしまうことにもなるのです。

 

抜き打ちの調査でブラック企業だと判明して、書類送検されるケースも増えていますが、そんのは氷山の一角と言えるでしょう。

 

もっと低層の同族会社や零細企業には、驚くほど悲惨な待遇の社員がいくらでもいるのです。

 

そういった本当に追い詰められている社員をハローワークは助けることができていないのです。

 

是正指導が入っても、いたちごっこ・・・?

 

何らかの形で会社に法律違反(労働基準法、最低賃金法)があることが判明したら、労基署から是正指導が入ります。

 

ハローワークに無料で求人が出せなくなるのは彼らにとって大打撃となり、これは大変有効だと思われます。しかし、ハローワークに求人が拒否されるのは、過去1年に2回の違反があった場合で、しかも是正が認められれば6ヶ月後には再び掲載が可能となるのです。

 

また、是正指導の段階で企業名が公表されるのは、社会的に名の知れた大企業だけです。中小企業は「送検」でもされない限り、企業名は世に出ません。

 

従って、大半のブラック企業は、是正指導を受けても、一時的に違法労働を改善するものの、短期間ですぐに元の木阿弥となってしまう可能性があるのです。

 

ブラック企業というのは、その根本的なビジネスモデルが社員の異常な頑張りに依存している部分が多く、まともに残業代を払っていたり、定時に社員を帰宅させていたら、会社の利益は出せないのです。

 

それが今の中小零細ブラック企業の現実なのです。だから、企業もそうせざるを得ないのです。どうせ、再度、労基署から是正指導を受けても、送検されないようのらりくらりしてればよいのです。

 

まして、ブラック企業の中には、そもそも、長いことビジネスを続けるつもりがない経営者が運営していることもあるので、逃げるように倒産して利益を持ち逃げされてしまうのです。この場合も、一番困るのは失業する弱い立場の労働者たちなのです。

 

どうしたら改善できるのか?

 

厚労省は、ブラック企業の会社名を公表したり、ハローワークに求人を掲載させない措置をして、なんとかブラック企業を撲滅しようとしていますが、それほど良い効果は出ていないと言えるでしょう。

 

企業名を公表されたとしても、今時は、名だたる有名企業も、中堅企業もネットでブラック企業だ!と叩かれているので、そこら中にブラック企業が存在しているのです。

 

これは、例えばブラック企業偏差値ランキングを見れば分かります。名だたる一流企業がブラック企業の仲間入りを果たしているのです。

 

このようなランキングを出すことで、作る当事者は面白いかも知れませんが、多くの人が納得がいかない・信頼できない情報だと感じることになります。インターネットの情報は玉石混交だと言われていますが、石ばかりに見えてしまうということです。そうすると、むしろ本当のブラック企業がインターネットの情報の中に隠れてしまうということにもなりかねません。

 

これもブラック企業をのさばらせる原因の一つになっている可能性があります。

 

根本的な解決方法としては、壮大なテーマとなってしまいますが、すべての社員が、残業や休日出勤や長時間労働をしなくても、企業が健全に利益を出せるようにすることです。

 

そのためには、仕事時間ではなく、商品力やサービスの質を上げる必要があります。

 

今の日本企業は、それができていないのです。

 

質の悪い商品やサービスを、たくさんの営業マンで売り込む、そして、営業マンを使い捨てる・・・このような考え方をなくさないかぎり、本物のホワイト企業は誕生しないのです。

 

企業は新卒者に情報を公開しなければいけない

 

新卒者にとっては朗報です。

 

「青少年の雇用の促進等に関する法律」の改正により、企業は新卒者の募集をする場合、以下の3つのカテゴリーについてそれぞれ1つ以上の情報の提供が義務化されました。

 

  • 募集・採用に関する状況
  • 職業能力の開発・向上に関する状況
  • 企業における雇用管理に関する状況

 

これにより、平均勤続年数などが分かるようになるので、ハローワークに掲載されている求人でも、ブラック企業を見極めることにつながるかもしれません。

 

ブラック企業は根強くハローワークの求人に掲載されているので、それを見極めるのが今までは難しかったのです。

 

うちは優良企業ですと宣伝されれば、新卒者はそれを信じるしかないですからね。

 

しかし、今回のように情報公開を義務付けたことで、ブラック企業の被害者を減らすことができるのではないでしょうか?

 

例えば採用人数から分かることは?

 

例えば、会社の規模に比べて、採用人数が驚くほど多い場合もあります。

 

1度に50人や100人も採用する会社もあるのです。それだけ多くの人材を雇用できるほど余裕のある優良企業なのか?と思いきや、実は、数ヵ月後には半数以上の新入社員が辞めてしまい、1年後には1人も残っていない・・・なんてことも多々あるのです。

 

なぜ、そこまで離職率が高いのでしょうか?

 

それは、仕事が厳しすぎたり、違法な労働をさせられたり、問題がある会社だからです。

 

なにも問題がなければ、大量に採用された人が全部、辞めるわけがないですからね。

 

短期間で辞められてしまうからには、なにかしらの理由があるのです。

 

過去3年間の採用人数が異様に多くて、離職率が異様に高い場合は、ブラック企業の可能性が大と考えたほうが良いでしょう。

 

離職率から分かることは?

 

離職率が高いからといってブラック企業と断定はできませんが、その可能性が高いとは予測できるでしょう。

 

単純に正社員として続けていくのが嫌だからという理由で、短期間で辞めてしまう人もいますが、採用したすべての社員がそのような理由で辞めるわけがないのです。

 

だから、離職率が高くなればなるほど、やはりその会社に問題ありという可能性が高くなるのです。

 

過去3年間の離職率が異様に高ければ、やはりブラック企業の可能性を疑ったほうが良いでしょう。

 

転職者にとってもメリットがある?

 

あくまで新卒を対象とした建て付けのため、転職者にとってのメリットは薄いでしょう。

 

ハローワークの求人掲載拒否の方が実効性が高いと思われます。

 

ハローワークに求人を掲載したがる企業が減るか?

 

ハローワークに求人を掲載していた企業の中には、驚くほど多くのブラック企業がまぎれています。

 

今回の新制度が出来たことで、悪質なブラック企業は新卒から既卒へシフトすることが考えられますので、それほど求人の数は減ることはないと考えられます。

 

まともな求人に紛れたブラック企業の求人は減ることはないでしょう。特に、現在は人手不足が常態化している状況です。マンパワーに依存するブラック企業は躍起になって求人の募集を出しています。

 

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