零細企業の良いトコロ、悪いトコロ。
零細企業の良いトコロ、悪いトコロ。
零細企業のメリット・デメリット
ココが嫌い。デメリット編
零細企業のデメリットは、やはり”社長次第”ということに尽きるのではないでしょうか。
とうぜん株式上場なんてしていませんし、株主はいますが社長と親族であることがほとんどです。周りの目がないわけですから、おかしなことをしていても自浄作用はありません。
給料が振り込まれていない。なんていうのはたとえ零細企業であっても大問題だと思いますが、似たような例はいくらでもあると思います。
いわゆる、ガバナンス、企業統治と呼ばれる部分については、社長の気分次第ですから弱いと言わざるを得ません。
日本は95%中小企業です。つまり中小・零細企業に働いている人がほとんどですから、この辺りの問題はもう解決しようがないですよね。
”社長の気分でどうにでもなる”
零細企業にずっと付いてまわるデメリットではないでしょうか。
ココがいい!メリット編
表と裏は表裏一体という言葉がありますが、まさにその通りで、これも社長次第ではとても居心地のいい職場になっている人も多いと思います。
にもありますが、会社によっては自分の裁量が大きく、やりがいにつながることもあると思います。また、直ぐに役職が付くこともあります。大企業では、50歳を超えないと部長になれないのに(一生なれない人も多いですが)、30代にいきなり部長というのも十分あり得ます。
とにかく「社長ありき」だと思います。
良い会社が見つかれば、それこそ大企業以上に仕事が楽しくてしかない。そんな働き方ができると思います。
私も零細企業で働いていたことがありますが、自分の権限も広く(逆に責任も重かったのですが)、肩書もかなり偉いものでした。社長も振れ幅の激しい人だったのですが、私はかなり可愛がってもらったほうだと思います。
ブラック徒弟制度?
職人系の零細企業、お店では、今でも徒弟制度に近い働かせ方を取り入れているところは少なくありません。
徒弟制度というのは、親方、職人、徒弟という形で、徒弟が親方の元で寝食を共にして技術を受け継ぐという制度です。
形はやや異なるのですが、今でも徒弟制度が導入されているお店や会社は少なくありません。
福岡市内のある有名洋菓子店では、パティシエ達をブラックに働かせ、労働基準監督署の立ち入り調査が入る事態となっています。
- 開店は9時で3時間前に出社。
- 男性は入寮、女性はお店から徒歩10分圏内に住まわせる。
- 残業時間は130時間。
- 3食の食事は店内で。朝食はケーキの残り物。
- 週一回の休み。
西日本新聞より
この事例では、オーナーが自分自身で経験した働き方にもとづいて「一人前の職人を育てるため」にこのような働き方をさせているようです。
このように、昔は~だったという体験から、今ではブラック認定されてしまうような働き方をさせるオーナーや社長は珍しくないみたいですね。
よくありますね。昔は~したもんだ、今の若者ときたら・・・・という話。
しかし、昔は普通の働き方でも、今はブラックなのです。時代が違うのです。
会社を測るモノサシが変わっているのです。昔はサボりぐせがあると思われていた人が、現在ではうつ病認定されるようなものです。
このように、経営者が自分自身の成功体験に囚われ、モノサシの変化についていけないという状況が、ブラック徒弟制度を生んでいると言っても過言ではないでしょう。
零細企業に入ろうとする人は、手に職を付けたいという人が多いと思いますが、ブラックな実態もあり得るということは頭に置いた方がよさそうです。
零細企業で働いた人の体験談。
その1.ブラック零細企業。まさに私が働いていた会社がそうかもしれません。
自分にあったやりがいのある業務を主としている今の会社に就職しました。しかし、実際は会社説明会や面接では見抜けない、入社前と実際では話が違うなど様々な理不尽がありました。
まず最初に驚いたのは、どこの会社でも最初にもらう労働契約書が正社員にもかかわらずないのです。
また、終業規則や有給休暇、早退欠勤時の厳密な取り決めや書類がなく入社当時はとても混乱しました。
そういった手続きについてはもちろん、業務内容についても先輩や上司によって全ての指示や方法がまちまち。
Aさんがやれと言った事と、Bさんが言った事がまるっきり逆でCさんに確認しても「よく分からない」「適当でいいんじゃない?」などと真面目に働けば働くほど神経をすり減らす日々でした。、
零細企業なので社長とも直接話ができるのですが、書類については最後までもらえず、病気などで早退したい際も例え社長の許可を貰っても別の上司やお局様が裏であらぬ噂や嫌がらせをしてくるという何とも程度の低い社員で構成されていました。
残業手当0は当たり前、終業後や休日でも現場対応に追われるがその分の手当も代休もなし。
ある世代の社員で固まっている組織の為、それ以降に入社した社員は全く育たず、私を含めた全員がストレスによる病気を発症するか数年で退職していました。
零細企業の家族経営体質とでもいいましょうか、全てがいい加減で体制だっていない。
能力がないのに妙なプライドばかり大きく、まるで中学校の部活の上下関係のようで仕事をより良くする為に努力した事や顧客の為に頑張った事などは、全く認められませんでした。
さらに信じられなかったのが、給料が振り込まれていなかった、または給料が間違って(少なく)振り込まれていた事です。
しかも1度だけでなく、この半年だけでも3回もありました。
その他、経費で落ちる物について自費で先払いし、後日領収書分のお金を貰うのですが、これも間違っている事が多数(しかも少ない方で必ず間違っている)。
社員だけでなく顧客へ対する見積もりや請求書の値段違い、記名ミスも日常茶飯事でした。
会社の体制、業務内容、人間関係、給与…全てに対して不満だらけのブラック企業、数年頑張りましたがついに心身を壊してしまい退職する事になりました。
零細企業だからこそ、なし得るアバウトすぎる労働環境でした。
その2.個人経営は、社長の機嫌で売り上げが決まる
個人経営の雑貨屋で働いていました。面接に行ったときは、すごく夢あふれる気持ちで憧れていた仕事に就ける思いでやる気あふれていました。
時給は安かったけれど、やりたい仕事が出来る喜びと通勤も徒歩数分と近かったのでいい仕事を見つけたと思っていました。
しかし、いざ勤めてみると就業時間は決まっているのに暗黙の了解で上が帰っていいよと言うまでは帰れない、仕事が終わっても違う人の雑務を次から次へと押し付けられ、開店から閉店してもまだ雑務がありました。
売り上げや発注も仕事中にしてはいけないので帰宅してから夜中までしなければいけなく、家族がおかしいと言っても相談できる相手が会社に居なかったのでひたすら耐えました。
バイトで入って数ヶ月で店長をやれと言われ、現店長からは体を使ったと言われたり、時給の安いバイトなのに金額と仕事量が見合わないからやめろと家族に言われたりと精神的にもとてもきつかったです。
社長はとても気分屋なので、朝出勤した時の機嫌で一日の店の売り上げが決まります。
機嫌がいい時は、店の雰囲気、接客もいいですが機嫌が悪い時は、従業員にお客さんが居ようと怒鳴り散らし罵倒してとてもひどい雰囲気なのでお客さんも寄り付きません。
発注や商品の陳列なども社長の言うとおりで、言われたとおりにやっても5分後に期限が悪いと全部またやり直しで意見がコロコロと変わるので毎日地獄でした。
新人は入って一週間も持たずやめてしまうので、古株しかおらずみんなやめるにやめられない状況で残っているという職場でした。
結局倒産してみんな解散できたのでよかったです。
その3.家族経営だからこそ放漫な面があります。
私は元々大手企業で働いていましたが、転職した会社は小さい会社でそこがいわゆる「ブラック企業」でした。
まず、役員達は家族なので、喧嘩が絶えません。
仕事の際の意見が割れて言い争っているのではなく、明らかな家族喧嘩です。その喧嘩のせいで社員も嫌な思いをしていました。
また、給料についても社長の意見でもちろん決まるのですが能力関係なく好き嫌いが関係していたようです。
私は社長に好かれていたので昇級や賞与は当たり前のようにもらっていましたが、そうではない同期社員もいたのが驚きでした。
また大企業ではないので社長の口出しがひどく、社長の気分で毎日仕事内容が変わってしまいました。
そして何よりも驚いたのが会社規定です。
一体何十年前に作ったのであろうかという物で、様々な会社内部のことや雇用体制が変わっていても書き換えられていないのです。
その為社員の有休消化や休暇についても問い合わせない限りは知らんぷりです。
ここまでくれば明らかなブラック企業です。
やはりある程度大きな企業でなければ、経営者の自由に惑わされてしまうと感じました。
きちんと就職活動の際に、そういった内部の事情も見極めなければブラック企業に勤めることになってしまいます。