今は売り手市場?買い手市場?

今は売り手市場?買い手市場?

2015年~2016年の有効求人倍率は非常に高いです。

 

ハローワークが発表している有効求人倍率によると2015年度は1.17倍になっています。

 

これは23年ぶりに非常に高い水準です。

 

さらに2016年1月には求人倍率が1.28倍となり失業率は3.2%に改善されました。

 

どういうことなのか?というと求人倍率が高いということは「人が足りてない」状態です。

 

そのため、今まさに数字上はひじょうに売り手市場であり転職がしやすい環境になっています。

 

今の数値に近い状況だったのがバブルの時代です。バブルに沸いていたのは1990年前後なので、大体25年も前の話になります。

 

あの頃は新卒の大学生を囲うために入社旅行で海外旅行に行ったり、面接に来たらタクシーでの送り迎えをしていた時代です。残念ならが今の日本ではそんなことはありませんが、少なくとも求人倍率では近い数字になっています。

 

転職を考えているなら、有効求人倍率が高い今のうちはチャンスなのかもしれません。

 

 

地方別に考えてみると東京は1.5倍越えの数値に。

 

ちなみに細かくデータを見ていくと東京や大阪などの都市圏と、地方では数字がまったく異なってきます。

 

東京の倍率は1.5倍を超えてきていますが、一方で沖縄や北海道などでは0.8倍ほどになっていて地域によって違いがありますので、その点には注意です。

 

とはいえ、ほとんどの地域で1倍を超えていて、やはり氷河期に比べると仕事の求人数が多く出ていることがわかります。

 

有効求人倍率の推移を考えて見る。

 

19070年代からの有効求人倍率のグラフを作成してみました。見るポイントとして赤線の倍率1倍より上であれば好景気で転職者に有利、0.5倍に近くなれば不景気となって仕事がなかなか見つからないことを意味しています。

 

ちなみに2000年前後やリーマンショックの頃には求人倍率は0.5倍となっており、この頃はいわゆる「転職氷河期」と呼ばれていた時代になります。

 

有効求人倍率の推移

 

数値の推移データはこちら。

 

1972年1.16
1973年1.76
1974年1.2
1975年0.61
1976年0.64
1977年0.56
1978年0.56
1979年0.71
1980年0.75
1981年0.68
1982年0.61
1983年0.6
1984年0.65
1985年0.68
1986年0.62
1987年0.7
1988年1.01
1989年1.25
1990年1.4
1991年1.4
1992年1.08
1993年0.76
1994年0.64
1995年0.63
1996年0.7
1997年0.72
1998年0.53
1999年0.48
2000年0.59
2001年0.59
2002年0.54
2003年0.64
2004年0.83
2005年0.95
2006年1.06
2007年1.04
2008年0.88
2009年0.47
2010年0.52
2011年0.65
2012年0.8
2013年0.93
2014年1.09
2015年1.17

 

基本的には、求人倍率は上がって下がるを繰り返すのが特徴です。

 

この有効求人倍率ですが、好景気や不景気と連動していますので基本的には景気にあわせて上がったり下がったりということを繰り返します。

 

今回は2008年から足掛け7年~8年かかって求人倍率が上昇しています。かなり長い期間上昇しています。そのため、個人的には2016年~2018年あたりのどこかで上昇のトップになるんじゃないかと思っていました。

 

過去の求人倍率の推移を見てもわかるように、倍率が1倍を超える時期はあまりありません。有効求人倍率が1倍を超えて、数年たつと大体不景気がきて求人倍率も1倍を切る。というケースが多いです。

 

今回は息が長い?

 

これを書いているのは2016年9月ですが、今だに有効求人倍率は上がっています。将来のことを予想するのは難しいですがl2020年にはオリンピックもあり、もしかしたらまだしばらくこの有効求人倍率は続くのかもしれません。

 

また、別の記事にまとめていますが、人口体系的に今回の有効求人倍率の上昇(人手不足)が起こっている可能性もあり、そうなると構造的な理由になりますので今後ずっとこの求人倍率の高さが維持されるといったことも考えられます。

 

どちらにしても2016年、転職者が置かれている状況はかなり転職に有利になっています。

 

 

有効求人をもっと詳しく見ると転職しやすい業種がわかります。

 

有効求人倍率の資料ですが、実は業種別にデータを見ることもできます。例えば事務職や営業職だったり、看護師だったり教育だったり・・・と各業種ごとの求人倍率がわかるんです。

 

全体の求人倍率が1・28倍であっても、職種ごとに見ると、これもまた全然違います。

 

ちなみに事務の求人倍率はいまの時期であっても0.25倍前後となっていて、非常に狭き門であることがわかります。1つの求人に平均して4人ほどの応募者がいることになります。

 

人気のある事務の求人であれば、求人が出た即日に10人ぐらいの応募があってもおかしくないような状況となっています。

 

一方で、IT・通信やサービスの分野では求人倍率が2.67倍、1.35倍となっていて求人がたくさん余っている状況になっています。(2016年2月)

 

このようにして職種別に求人倍率をみながら、転職のことを考えてもいいかもしれません。

 

なお、求人倍率が高いのはやはり営業職です。多くの企業は売上獲得のために、営業職の募集は止めません。一方で大変だというイメージがあることから、求職者は営業職を敬遠します。
私も採用担当として、営業職を募集したことがありますが、応募がありませんでした。
このように採用が難しいことから、仕方なく労働条件を上げる企業も出てきます。営業職というとブラックな面を想像してしまいますが、もしかするとホワイト企業で良い労働条件の営業職があるかもしれません。

 

凄い離職率。社員が1日に1人はいなくなっていく。それがブラック企業