少子化は解決する!?男性は育児休業を取れるのか?

少子化は解決する!?男性は育児休業を取れるのか?

厚生労働省が2018年の5月に発表した「平成29年度雇用均等基本調査」によると、育児休業取得者の割合が女性では83.2%(↑1.4%)、男性では5.14%(↑1.98%)となりました。

 

女性の育児休業取得者は、それなりの水準にはなってきましたが、男性は非常に少ない水準にとどまっています。

 

会社は、「育児・介護休業法」により、子供が1歳になるまでの間であれば、育児休業は拒否できません。ですから、基本的には女性はほぼ100%取得するのが理想でしょう。法律の違いはありますが、スウェーデンでは女性のほぼ全員が育児休暇を取得、ドイツでも95%を超えているようです。

 

一方で、各国の状況をみても、男性の育児休業取得者は少ないようです。やはり、女性に休んでもらい、男性が家計を維持するというというケースが多いようです。

 

日本でも、出産する女性が産休をとるなら、「おめでたいこと」として許される社会状況がありますが、配偶者である男性が産休をとるのはどうなの?という否定的な視線もあるように思えます。

 

私が以前いた職場でも、若手男性社員が育休を取得したことについて、非常に多くの否定的な意見がありました。「ゆとり世代」と揶揄するような意見もありましたし、給料ドロボーと見る向きもありました。長時間労働が常態化しているブラックな職場でしたので、周りからすると「なんであいつだけ休んでるんだ」という気持ちになったのだと思います。

 

政府は、男性の育児休業の取得について13%を目標に掲げています。

 

男性を家事・育児に参画させ、ひいては女性を活躍させるというのが、政府の狙いです。

 

これは現実的に可能な目標なのでしょうか?

 

まず、雇用する側の企業や事業主にとっては、ありがたくない目標です。

 

この時代になっても、女性の育児休業休業すら困る、取るなら辞めてくれという会社もあるのです。男性の育休などもってのほかという会社が多いというのは想像に難くありません。
企業としては、労働力の損失となってしまい、売上減少につながるので深刻な問題と言えるのです。

 

こんなことを言っては差別的に感じるかもしれませんが、例えば、仕事であるプロジェクトの責任者的な存在で舵取りをしている男性社員が産休ととるのと、補佐をしている女性が産休をとるのでは、企業の経営者側としてはまるで別の話なのです。

 

もし、責任者的な立場で、リーダーをしていた男性社員がいなくなってしまえば、そのプロジェクトは失敗に終わり、会社は大損失を被ってしまうかもしれないのです。

 

つまり、いくら政府の方針だからと言って、男性の育休率を13%に上げていこう!そのような職場環境を作ろう!などと積極的にはならないのではないでしょうか?

 

やはり企業が存続してこその会社なので、会社の不利益になるような制度はどうしても使いにくくなってしまうのが職場の厳しい現実だと思うのです。

 

 

企業にもメリットがなければ育休が使える職場環境は整わないと思います。

 

少子化問題を改善する、女性の活躍をさせるという、一般論で男性社員の育児休業取得率を13%にするために協力してくださいといっても企業には何も”うま味”がないと思います。

 

企業は、毎月、毎期の利益獲得のために、いわば短期的な目線で収益活動をしています。少子化問題は長期的には非常に深刻ですが、とにかく今日の売上、明日の売上を確保しなればいけないという状況に置かれている企業には、男性の育休などなんのメリットもありません(特にブラック企業にとっては、単社員は数合わせでしかありませんから、なおさらのことです)。

 

もっと具体的に産休がとれる環境を整備してから、得られるメリットを作るべきだと思います。

 

例えば、男性社員が気兼ねなく産休をとれる職場を整備した企業には、国から支援金や補助金が出るようなシステムにすれば良いのではないでしょうか?そうすれば、もっと積極的に産休がとれるような職場を整えようと努力する企業が増えるのではないでしょうか?

 

早急な少子化問題の解決が必要です。

 

ただ、今回のような試みはどんどんやっていくべきでしょう。やらないと効果のほどはわかりませんからね。

 

もし実際にやってみて駄目だったら、ヒアリングして次の手をすぐにでもやればいいのです。少子化問題も伸ばしのばしやってきて、もう後がないですから、とにかくスピード重視でやるしかありません。

 

ネガティブな意見がでても、どんどんアイディアを実践して問題をクリアにしていけば、必ず解決できる。と省庁の人には頑張ってもらいたいものです。