本屋さん、文化施設、時計修理士の仕事内容とは?実際の体験談まとめ。

本屋さん、文化施設、時計修理士の仕事内容とは?実際の体験談まとめ。

体験談その1.書店で店員をしていました。

 

私がかつて働いたことがあるのは書店店員の仕事でした。皆さんは書店の店員というと、どういった仕事内容を思い浮かべるでしょうか。

 

大体はレジ打ちや本の整理、掃除や予約を取り扱う業務を行うと思われがちですが、実際の書店勤務は思った以上にいろいろな業務を行わなければなりません。

 

まず、書店というのは本が入ってきて、それを売ることでお金にします。

 

取次会社が間に入ることで、本を書店が買い、売れた分は利益になりますが、売れなかった分については「返本」という形で取次店に返します。

 

このシステムがあるので、書店というのは売れた分だけが利益になるのですが、当然ながら売れなければいけません。

 

そのため、POPと呼ばれる店頭宣伝商材などを駆使したり、文具や雑貨などといったものも提供しながら集客を行うのです。

 

朝、本が入ってくると、アルバイトさん含め、店員一同が古い雑誌との入れ替え作業を行うことになります。

 

その際、売りたい本は面前出しといって表紙を店内に向けた状態にして置きます。

 

その後、予約の分の本を取置し、カウンターの後ろに置きます。ご予約のお客様がご来店されたら予約分の本を受け渡します。

 

日中はレジ打ち本の予約、店内の掃除などをします。掃除は特に時間が決まっているというわけではなく、万引き防止の意味も含めて行うのです。

 

業務終了時間が近づいてくると、バックヤードに回って有線で「蛍の光」を流し、お客様が全員退店されたのを見て、シャッターを閉め、清掃・入金管理に入ります。

 

その日の売上金を売上金を入れる金庫に保管し、すべての電気を消して退店します。

 

退店時は社員及び契約社員が店舗のカギを管理し、朝出勤してくる時にシャッターを開けます。

 

書店で一番大変なのは、立ち読みです。特に子どもたちはいつまでも立ち読みをしているため、近くを通ってあまり立ち読みをしないように見回らなければなりません。

 

また、万引きをしている子を見かけることがもしあれば声をかけ、防犯もしなければならないということもありました。

 

書店で勤務することは本好きならもちろん大丈夫ですが、女性の比率が多いため、男性店員は力仕事や電球替えなどをする肉体労働的な部分も担わなければなりませんので、男性店員は教科書販売時になどには力仕事を行うこともあります。

 

ただ、知識の宝庫である本に囲まれてお仕事ができるというのはこの職業の一番の特権だと思いますので、本が好きなら問題なく店員として仕事ができると思います。

 

 

体験談その2.民間企業が指定管理している文化施設の仕事

 

コンサートホールや会議室などが入った文化施設の管理の仕事を行っております。

 

公共施設になりますが、民間企業の会社員です。

 

公共施設の管理運営を民間に委託する、指定管理制度という形で運営を行っています。

 

この制度はまだまだ認知度は低いですが、現在このような文化施設が指定管理で民間企業に運営を委託するという形が増えているのです。

 

しかしながら、まだまだ利用者の認知度は低く、お客様に役所の人、と思われる事も少なくありません。丁寧に慎重に対応しているつもりがお役所仕事、と言われることも…

 

私が携わっているのは、施設の貸し出しに関わる受付事務になります。

 

1300人収容のホールはコンサートなどのイベント物や、合唱コンクールなどの学校行事が多いです。

 

諸室と呼ばれる小さい部屋は、会議室や調理実習室、ピアノのある視聴覚室など様々で、一般企業の社内会議や採用試験、あとは地域サークルの使用が多いです。特に合唱サークルが毎日のように使っています。

 

諸室は半数近くがサークルさんの使用になるため、常連の利用者も多く、そういったお客様の貸し出しや予約時の雰囲気はアットホームです。

 

予約受付業務はお客様の希望の日時、使用形態を聞き出し、空き状況を見てご提案していきます。

 

申請書を書いていただき、支払まで窓口で行っていただくので、レジ作業も行っています。

 

売り上げはそのまま管理を請け負っている市に入金になるので、公金を預かっているという一定の緊張感があります。

 

また所属は一般企業でも、行政から仕事を請け負っている為、雇い主に当たる役所の職員とのやり取りが必要になる時も特別な緊張感があります。

 

体験談その3.時計修理士はコミュニケーション能力も必要な仕事

 

時計修理の技師をしています。最初は百貨店など会社が派遣しているお店で修理品の受付をするところから始まります。

 

修理品の中にはオーバーホールが必要なものや、ただたんに店頭で出来る電池交換で対応できるものもあります。時計の修理を生業としたい、という人たちが働いていますので電池交換よりも修理に重みをおきたいのですが、お客様あっての仕事ですから電池交換も重要な仕事です。

 

また百貨店という土地柄、自分の好みではないブランドの時計がくるときがありますが、そういうものにも興味をもち歴史を調べなければなりません。

 

この仕事に就くまでは自分の好きなことを生業に出来るなんて幸せじゃないか、と思っていたのですが、結局必要なのは客と会話できる能力、同僚や他社員とのつながり、ブランド担当の部署との付き合い、他の会社に勤める同業者との情報、ですので自分ひとりで出来る仕事ではなく他人と接する機会の多い仕事です。

 

修理技師は現在二十代から三十代が足りませんので、資格などなくても勤めることはできます。実務経験は半年以上あると検定を受けることができます。時計修理技能士検定というのですが、学科と実技があり、受かると技師のバッジがもらえます。

 

年に一度の検定です。私は三級は飛ばして二級を受けたのですが、一ヶ月ほど集中して実技の勉強をすれば何とかなります。資格があることで何を得するか、というと給料に手当てが含まれるのと、百貨店によっては、その資格を持った人を一人必ずおかなければならないという規則がありますのでその部分でも特異になれ優位にたつことができます。

 

百貨店で色んなお客様と接していくうちに、自分の好みではないブランドに詳しくなり、その情報を利用することもできますし、私のいる会社にはないけど他の会社にはある部品なども調達してくることが可能になります。

 

自分ひとりの仕事ではなく、全員と連携できる仕事です。